作品コンセプト

鍛冶屋と言えば職人、職人と言えば整然とした乱雑さ、という短絡思考で、それらしい生活感がどこまで出せるかに挑戦してみました。
また昨今は労働が報われない貧乏鍛冶屋らしく、出来る限りレアと呼ばれるアイテムは使わず、使っても比較的安価で売買されているアイテムを中心に構成してみました（実際貧乏なんですけどね。(^^;）。

詳細解説文

鍛冶屋は悩んでおりました。

修行も終え、これから一人前の職人を目指してやっていく為には、自由に出来る鍛冶場が必要だ。
それに将来もしかしたら嫁さんが来て所帯を持つことだってあるかもしれないじゃないか。
そんな時の為にもどうしても家が欲しい。

そんな思いを胸にコツコツと働いて貯めたなけなしの財産を叩いて、マラスに家を買いました。裏山の鉱山は豊富な埋蔵量があり、鍛冶仕事にはもってこい。閑静な場所は仕事にも集中できます。

最初のうちこそ奇麗に使っていた家ですが、やもめの悲しさ、見る見るうちに汚れていきます。おまけに独り者の慰みになればと落ちていた種を蒔いてみたところ、これまたみるみるうちに育ってゆき、気がつけば屋上の半分を埋めつくすような有り様。おまけにツタまでがどんどん育ち、もはや収拾のつかない状態です。

やれやれ、と溜め息をつきながら鍛冶屋は今日も一人食事を作り、時には先人たちの書物を紐解いては更に強力な防具の研究に勤しんでいるのです。

ポカポカと陽の当たる屋上で、時々酒を携えて遊びにやってくる数少ない友人たちとの語らいを楽しみにしながら。