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ヘイブンのブラックロックを受け取る謎の商人に関する物語の続きです。
ふむ、今日の食事はどうするかな……。
そうだ、ユニコーンの角亭でいつものあれにすればいい。
豚の丸焼きはすでに食べつくされようとしていた。無作法に積み上げられた軟骨と骨の山のむこうにいる人物はその散らかりようをまるで気にしてはいないようだった。ユニコーンの角亭の中にはバーで飲んでいる日雇い労働者が幾人かいるだけだった。しかし、たとえ他に貴族がいたとしてもこの貴族のテーブルマナーに疑問を投げかける事ができただろうか?
そこから一番遠い店の扉が音を立てて開き、ガードの男がきびきびと店内に入ってきた。ガードは店内の角に座っている派手に着飾った太りすぎの男に眼を向けると、かつかつと歩いていった。
「フランセスコ様」
「アベリー」
フランセスコは席から動こうともせず、テーブルの向こうに来たガードに声をかけた。そのガード、伝令はうなづき、気を付けの姿勢をとった。「ご報告申し上げます。ヘイブンでブラックロックが発見され続けています。過去最大量と思われます」
「ふむ……」
フランセスコは噛むのを一瞬止めた。
「商人の動きはどうかね?世間はどうやって彼らの噂を?」「よく解っておりません。彼らに発見される前に鉱山は厳封されました。町民ですら鉱山の事は知りません。しかし、彼らはまだ見つかるだけのブラックロックを買い上げ続けています。タウンクライヤーを通じて彼らに注意するよう呼びかけてはいますが、あまり効果を上げていないようです」
「そうなのかね?」
「街は人で溢れかえり、宿屋も満室で街の外で野営をするものも出る有様です」
アベリーは肩をすくめた。「なるほど。まだ奴らが何者なのかわかっていないのだな?」
「わかっておりません。我々の質問に答えようともしませんし、法を犯すようなことは何一つしておりませんので、ガードは手出しが出来ない状況です」
フランセスコはテーブルに身を乗り出し、考え込んだ様子で手を組み遠い眼差しを店内に向けた。
「好かんな。今週末まで評議会は無い……」
フランセスコは週末前に評議会を招集しようと一瞬考えた。が、原因はなににしろその考えを取りやめた。
「クレイニンから返答はあったかね?」「いいえ、クレイニン様が彼らを追い始めてから後、一切の連絡が途絶えております」
「そうか。ではヘイブンにエージェントをおき、奴らに接触する人間の名前を可能な限り書き留めるようにしたまえ。奴らの関係が知りたい」
「かしこまりました」
「今のところできるのはこれくらいだろう。すぐに取り掛かりたまえ」
アベリーは敬礼し、テーブルから遠ざかった。フランセスコは食べ残した部分に目を向けたが、テーブルの上を片付けるようコックを呼んだ。
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